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老人ホームは現代の「うばすて山」か ~昔話が教えてくれる、親を「守る」ための決断~

ふとYoutubeをみていたら、この昔話を見なさいとばかりに私の目の前に上がってきました。

この話は知らないでもありませんが、考えるきっかけになりましたので、ここに記しておこうと思います。

親御さんの老人ホームへの入居を考える時、ふと「うばすて山」という言葉が頭をよぎり、胸が締め付けられるような罪悪感を感じることはございませんか?

親御さんの多くは、老人ホームなぞ入りたくないという方々がほとんどですから、よっぽど差し迫らなければ、老人ホームに入居させるなんて、というのも息子・娘世代の心情として理解できます。

しかし、あの有名な昔話『うばすて山』を改めて紐解くと、そこには「親捨て」ではなく、現代の私たちが学ぶべき「互いを想い合う、親子の深い愛」が描かれていると感じます。

一度ぜひごの動画をご覧いただきたいです。

 

昔話『うばすて山』のあらすじ

ある貧しい国で、60歳になった老人を山へ捨てよという掟が出されました。
主人公の息子は、泣く泣く年老いた母親を背負い、険しい山を登っていきます。
その道中、背中の母親は、なぜか周囲の木の枝をポキポキと折っては、道に落としていくのです。
息子が不思議に思い「何をしているのか」と尋ねると、母親はこう答えました。
「お前はまだこれから山を下ってうちへ帰らねばならん。道が分からんようになったら困るから、こうして道しるべを作っとるとよ」
自分が捨てられようとしているその時でさえ、母が案じていたのは、自分自身の命ではなく、帰っていく息子の無事でした。
いったん親を山に捨ててきた息子でしたが、その深い愛に心を打たれた息子は、「親を捨てることなどできない」と泣き叫び、掟を破って母親を連れ帰ります。
そして、家の床下に穴を掘り、母を隠して大切に守り続けました。
その後、隣国から
「灰で縄をなえ」 「曲がった竹に糸を通せ」
といった難題がふっかけられましたが、それを解決したのは、隠れて暮らしていた母親の知恵でした。
国は救われ、殿様も老人の価値を認め、うばすて山の掟はなくなった、というお話です。

母が折った枝の意味  ~あなたが「道に迷わない」ことが親の願い~

物語の母親が作った「道しるべ」。これを現代の介護に置き換えて考えてみました。
親御さんが最も恐れていることは何でしょうか?
親御さんたちの世代がよく口にされるのは「息子・娘に迷惑をかけたくない」というフレーズです。
それは、自分の介護のせいで、大切なお子さんが仕事や家庭を失い、人生という道で迷子になってほしくない、ということなのかと思います。
「自分を犠牲にしてでも、子供には幸せでいてほしい」
それが親心というものではないでしょうか。
もし今、あなたが介護に疲れ果て、生活が立ち行かなくなっているなら、それは親御さんが望む結末ではありません。
「あなたが笑顔で生きていくこと。それこそが、親御さんが命がけで願った『道しるべ』への一番の恩返しです。」

ホームへの入居は「雪山」から「温かい床下」への避難

物語の息子は、雪の降る寒い山から母親を連れ戻し、床下に穴を掘って隠しました
当時の厳しい掟(ルール)の中で、息子が母を守るために用意した唯一の安全地帯が「床下」だったのです。
現代において、自宅での生活が限界に達した時、老人ホームを探すことは「山へ捨てる」ことではありえません。
むしろ逆です。 老朽化した自宅や、孤独という「寒さ」、転倒や火の不始末という「危険」から、親御さんを安全な場所へ避難させること。
つまり、物語の息子がしたように、「温かい床下(守られた場所)」を用意することなのだと思います。
老人ホームは『うばすて山』では決してありません。
それは、過酷な環境から親御さんを守り、穏やかなで健やかな時間を過ごしてもらうための『シェルター』だと思います。

安心が「その人らしさ」を取り戻す

物語の結末で、国を救ったのは母親の知恵でした。

「灰の縄」や「曲がった竹」の難題を解くことができたのは、息子に守られ、心穏やかに暮らしていたからこそです

もし、雪山で震えていたり、日々の食事にも困る生活をしていたら、そんな知恵は発揮できなかったでしょう。

私たちが見てきた多くのケースでも、適切な施設に入り、食事や排泄の不安から解放された途端、親御さんの表情が明るくなり、その人らしい会話や笑顔が戻ってくることがあります。

「生活の不安を取り除くことで、親御さんは再び『国の難題を解く賢者』のように、尊厳ある姿を取り戻すことができるのです。」

「温かい床下」はBESTな場所ではありませんでしたが、親が活き、息子が安心できたより良い場所だったといえます。

罪悪感を手放し、家族の幸せを

株式会社カラフルでは、高齢者の住み替えを通じて、ご家族の幸せをサポートしています。
住み慣れた自宅から離れ、施設やホーム入居を検討することは、決して薄情なことではありません。
「離れることは、捨てることでは決してありえません。お互いが一番優しくなれる距離を探す家族の労りあいの形です。」
もし、罪悪感や不安などで一歩が踏み出せない時は、ぜひ私たちにご相談ください。

戦後の困難な時代を生き抜いてこられた親御様へ敬意を払い、ご家族皆様が納得できる「最適解」を一緒に探していきましょう。
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ライター
石井 英彦

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